今回はロードバイクを象徴するパーツであるドロップハンドルの握り方(持ち方)です。
なぜこの独特な形状で定着したのか?
理由を知れば、状況に応じたハンドルの握り方で快適なライディングができます。
どんな時にどこを持ったらよいのかわからないのでしっかり学びます。
ドロップハンドルの握り方は、握る位置でブラケット、上ハンドル、下ハンドルの大きく3つに分けられます。
上ハンドルと下ハンドルはさらに握る位置によってさらに2つに分けることができます。
上ハンドルはフラットとショルダー(コーナー)、下ハンドルはアールとエンドに分けられ、ブラケットと合わせて全部で5種類の握り方に分けることができます。
ドロップハンドルの握り方については、すべての握り方をマスターし、状況に応じて使い分けられるようになりましょう。
ドロップハンドルの基本の握り方です。親指と他の4本の指ではさむようにブラッケットをもちます。
いちばん使用頻度の高い握り方で、ポジションを出す際もこのブラケットを握った状態を基準とします。
中指と人差し指の2本指はレバーにかけておきます。2本の指でレバーを操作し、ブレーキと変速操作をおこないます。
中指を中心にブレーキレバーを引くため、中指がレバーに届かない場合や力が入れられない場合はレバーの位置を調節する必要があります。
すぐにブレーキがかけられる持ち方のため、下り坂や飛び出しなど危険が高い場所を走行する際にはこの持ち方をします 。
最近のブラケットはコンパクトになりましたが、昔のブラケットは大きくブラケット頭部持つ「シマノ持ち」という持ち方もよく使っていました。
ハンドル上部のフラットな部分を持つので通称上ハンといいます。上半身が起きるため一番リラックスしたポジションになります。
そのため緩い上り坂や急なブレーキをかける可能性が低い安全な道路状況の時に使うことが多いです。
ハンドル上部のショルダーと呼ばれるカドの部分を握ります。ブラケットを握るよりも少し位置が近くなるので楽なポジションになります。ただし、ブレーキをかけるためには手を素早くブラケットに移動させる必要があります。
ブラケットとフラットバー部分の中間的な位置にあり、ややリラックスした状況での走行に適しています。
最もアップライトなポジションでリラックスできる握り方です。急ブレーキの必要がない安全な場所や緩い登り坂等で使うことが多いです。
最近ではカーボン素材のドロップハンドルが普及しています。カーボン素材は形状の自由度が高いため丸いパイプ状ではなくエアロ形状のタイプが増えてきています。エルゴノミクス形状で手のひら全体で握ることができ手首の負担軽減にも効果があります。
もっとも前傾姿勢で、力が入りやすい握り方です。前傾姿勢になるため長時間握り続けていることは難しいです。
前方のアール側とバーエンド側の2つ握る位置があり、それぞれ握る目的がことなります。
もっともブレーキを強く引ける握り方です。
そのため、いわゆる激坂といわれるような斜度が10%を超えるような坂を下る際にはこの持ち方をすることが多いです。
しかし、あまり強くレバーを引くとロックすることもあるので、ちから加減には十分注意しましょう。
もっともちからを入れてこげる握り方です。
この下ハンドルのエンドを持ってゴール前のスプリントでもがいているレースのシーンは経験者でなくてもスポーツニュースなどで見たことがあるのではないでしょうか。
ただし、身体のできていない初心者にはツラい姿勢なので、徐々に使いこなしていきましょう。
どんな時にどこを持ったらよいのかわからないのでしっかり学びます。
ロードバイクに使われるハンドルが他の形状のハンドルではなくドロップハンドルである理由を知っておきましょう。
長い歴史のなかで様々な形状のハンドルが世の中に出てきましたが、このドロップハンドルがロードバイクの定番の形状として残りました。
もちろん理由があります。答えは「いろいろな握り方できる」からです。ひとことでいうなら握り方の「多様性」です。
先ほど確認したように持ち方は5種類もあります。握り方によって上下・前後に握る位置を変えられます。
その結果、さまざまなライディングポジションが取れて、結果的に疲労を防ぐこともできます。順に確認していきましょう。
握り方によって、手首の向きが変わり、ハンドルに接する手のひらの部分も変わります。
当然、握り方によって上半身の角度が変われば、重心の位置も変わります。
複数のライディングポジションがとれることになります。
フラットバーハンドルのクロスバイクであれば持ち方はひとつです。
同じ握り方をずっとしていると、手首や腕なと1箇所に負担が集中し疲労が蓄積してしまいます。
とくに横に握った場合は手首への負担が大きくなり痛みが出やすくなります。
その点、縦向けにハンドルを握るバリエーションが多いことがドロップハンドルの特徴です。
また、上半身の姿勢が変われば、サドルと接する股の位置も微妙にズレることになります。
結果的に、着座位置がずれることでロードバイクの悩みである「股の痛み」対策にもなっています。
実際にロードバイクに長く乗ってもらうと実感すると思いますが、縦にハンドルを握れるポジションが豊富で、かつ、前後上下に握れる位置が動かせることがドロップハンドルの一番の利点です。
ドロップハンドルの良さを知って、積極的に持ち方を変えてみましょう。
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