「自転車とランニングのどちらの方が痩せられるか」というようなタイトルの記事をよく見かけます。
美容や健康の意識が高い女子としては気になるところです。
サイクリングもランニングも運動強度や運動時間によって変わってくるので一概には比較できません。
継続することで効果が出るので、楽しく長く続けられる方をやるべきですね。両方やってもいいのですよ。
ダイエット特集の記事などで、食事制限とともに運動を取り入れることが勧められています。
男性向けの記事には「筋トレ」が多いですが、女性向けには「有酸素運動」の紹介が多いです。その有酸素運動の紹介の中で「サイクリング」と「ランニング」を比較していることがよくあります。
しかし、実際に記事内でモニターとしてでてくる人はアスリートやスポーツ系のモデルです。メタボチックな人がモデルとなって運動強度や具体的なやり方を指南しているものは少ないです。
そういう記事を見ると、そもそもダイエットをしようという人がランニングを長時間続けることが出来るのかな?と疑問に思ってしまいます。
いきなりランニングを長時間もすれば膝や腰を痛める可能性が非常に高いでしょう。本人とはかけ離れたモデルを基にしたデータの比較ばかりで現実的に参考にならない内容が書いてあります。
サイクリングについても、どんな自転車を使ったのかどんな場所を走ったのかによってデータが異なってくるはずであるのにその辺りは触れていません。
ほとんどはトレッドミル(ランニングマシン)とエアロバイクから取ったデータだけで比較しています。
とはいえ自転車で走ったことがない人やランニングをしたことがない人はまずいないでしょう。
両方ともやる私としては、日常生活の延長でおこなう場合とスポーツレベルでやるのではぜんぜん違うと感じています。
つまり、日常生活の延長としてウォーキングやサイクリングをおこなうことと、スポーツレベルでランニングやロードバイクをおこなうことは別物だということです。
さきほど話したダイエット記事は、普段から運動をおこなっている方をモデルにして、トレッドミルやエアロバイクをおこなったデータを比較しています。
また、実際に自転車とランニングをスポーツとしてやっているという方が書いてるとは思えない内容が多いのです。
普段から通勤通学や日常の移動手段として自転車を使っている人は多く、同様に健康維持やフィットネスでウォーキングやランニングをする人も非常に多くいるでしょう。
どちらも通常の日常生活の中でおこなう運動であるため、感覚的にもイメージしやすいのではないでしょうか。
しかし、どちらも「やせる」という目的を持っておこなうことになると、走る場所や走るスピード、負荷があがってきます。
運動の負荷を示す数値にメッツ係数があります参考までに載せておきます。
このメッツ係数を使って簡易的に消費カロリーを計算することができます。
計算式は 消費カロリー(kcal)=1.05×メッツ係数×運動時間×体重(kg) です。
仮に任意の強度(メッツ係数)で60分運動した場合の消費カロリーをランニングとサイクリングで計算してみましょう。
ランニングのメッツ係数 メッツ 運動強度(スピード) 6.0 6.4km/時、107.3m/分 9.0 8.4km/時、139.4m/分 10.0 9.7km/時、162m/分 12.3 13.8km/時、230.6m/分 16.0 17.7km/時、295.0m/分 19.8 20.9km/時、348.6m/分
一般的な歩行速度が4~5km/時であるということを考慮すれば、ダイエットしようという方がメッツ係数10以上でランニングというのは現実的に厳しいと思われます。
〔概算消費カロリー〕1.05×6×1.0(時間)×50(kg)=315(kcal)
〔概算消費カロリー〕1.05×9×1.0(時間)×60(kg)=567(kcal)
サイクリングのメッツ係数 メッツ 運動強度(スピード) 6.8 16.1-19.2km/時、レジャー、ゆっくり、楽な労力 8.0 19.3-22.4km/時、レジャー、ほどほどの労力 10.0 22.5-25.6km/時、レース、レジャー、速い、きつい労力 12.0 25.7-30.6km/時、レース/ドラフティングなし、または30.6km/時以上でのドラフティングあり、とても速い、レース全般 16.0 32.2km/時以上、山道、競技、レース
〔概算消費カロリー〕1.05×8.0×1.0(時間)×50(kg)=420(kcal)
〔概算消費カロリー〕1.05×10×1.0(時間)×60(kg)=630(kcal)
負荷によって効果が違うことを確認しましたが、実際にランニングとサイクリングをスポーツレベルでおこなった場合はどうなるのでしょうか。
ウォーキングの延長線上で軽いジョギングをおこなうことは、メタボチックな方がおこなってもガチなアスリートがおこなってもそれほど違いはありません。
歩く・走るという動作にそれほど違いはなく、速度による負荷は異なるにしても使う筋肉にそれほど違いはありません。
ただし、一定の速度域でランニングをする場合は自重の負荷がかかってくるため、メタボチックな方には足腰への負担はもちろん心肺機能へも相当な負担がかかります。
そのため、長時間ランニングをすることは、足腰の故障を招く原因ともなります。また、負荷の高いランニングは心肺機能への負担が高く心筋梗塞を起こし突然死に至るケースもあります。
ふだん運動をしていない人が急に走り出したり、頑張りすぎるのは要注意ですね。
そして始めるならウォーキングや軽いジョギングからですね。
他方、自転車の場合は、シティサイクル(ママチャリ)とロードバイクでは別物ともいえるほど使う筋肉に違いがあります。
乗車姿勢がそもそも異なっており、シティサイクルは脚だけでこぎますが、ロードバイクは上半身も使ってこぎます。そこを区別せずにランニングと比較してもあまり意味がありません。
シティサイクルやフィットネスジムにあるバイクは基本的に足の運動だけです。
ロードバイクは前傾姿勢になるため普段使わない首や背中、腕の筋肉もよく使うことになります。
また、バランスで乗る乗り物のためある程度のバランス感覚と慣れが必要になってきます。その点はランニングより敷居が高いわけです。
しかし、ペダル(足)、サドル(座)、ハンドル(手)と基本的に3点支持で自重からもたらされる足腰への負担が低いためサイクリングは継続して行えます。
ジョギングを20分おこなう場合と、サイクリングを20分おこなう場合をイメージして下さい。どちらがしんどいでしょうか?
もしくは、ランニングもしくはサイクリングを1時間やるとこになった場合どちらがやり遂げられそうですか?
自転車はランニングと比べると体重の負荷が低いため、メタボチックな人にも負担なくおこなえるところは特筆すべき点です。
たしかに、ママチャリとロードバイクでは使う筋肉がぜんぜん違うのは実感できます。
それから、ママチャリではのぼる気がおきなかった登り坂もロードバイクならスイスイのぼれてしまいました。
結果的に行動範囲が広がり、いろんなところに行けるので楽しくなりましたね。
実際には、不思議とランニングをやっている人はスポーツサイクルが苦手で、スポーツサイクルをやっている人はランニングが苦手という人が圧倒的に多いです。そのため、両方ともスポーツとして程よくやっている人はあまり見かけません。
ランニングも自転車もスポーツとしてそこそこやっている人はトライアスロンをやっている人ぐらいです。
トライアスロンの選手であっても、ランが得意な人はバイクは苦手で、バイクが得意な人はランが苦手という方が多いです。
理由は、筋肉の付き方によるフィジカル上の適性から来る部分とや本人の好みによる部分(楽しめるか)が大きいです。
このチャプターからロードバイクについてですね。
走るためだけの機能しか備えていないというところがポイントです。
「痩せる」という結果をだすことが目的であれば継続できる方を選んだ方がよいでしょう。どちらをするにしても、継続しないと結果は得られません。続けられてはじめて運動強度を上げていくという話にもなってきます。
また、楽しめないと続きません。「楽しい」→「続ける」→「体重が減る」→「嬉しい」→「続ける」→「さらに体重が下がる」、このサイクルがないと継続できません。
個人的にはサイクリングの方が飽きにくく楽しめるのでおすすめです。
ランニングは基本的に毎回同じところを走ることになりマンネリになり飽きやすいです。しかし、サイクリングは行動範囲が広がるため走るコースを複数選択できて飽きにくいです。私自身が飽きっぽいのでこの点はすごく実感しています。
またサイクリングは行動範囲が広がるため、ランニングではみることができない景色を楽しめます。知らない土地や目標物を決めて走ることができるようになりより楽しみ方が増えます。
ただし、サイクリングの場合はコスト面での出費が大きい点が人によってはネックとなります。ランニングはウェアとシューズだけで始められますが、サイクリングの場合はスポーツバイクを購入するコストが必要になります。
そうですよねぇ。楽しく続けられる方をやるのがいちばんです。
わたしの個人的な感想をいっておくと、サイクリングはランニングより速度が出るため、風を切って走る爽快感がよりよいですね。
また、自転車は体重の負担が少なく膝や腰を故障しにくいところがよいです。