ママチャリは初期投資であるイニシャルコストが低く、かつ、維持費もほとんどかかりません。そのため多くの人が通勤や通学に利用しています。
趣味やスポーツとしてのロードバイクの場合は維持費はどうなのでしょうか?
冒頭で結論をいっておくと、補給のための費用が実質的に維持費で結構かかります。
サイクリング中の飲食も維持費です!
一般的に以下のような理由で、自転車は維持費がかからないと思われています。
もちろん自転車保険や保管場所の費用などを払っている人もいると思いますが、クルマやバイクと比較して維持費がかからないと考えてられていることがわかります。
たださい、これは自転車を通勤や通学をはじめ日常生活の移動手段として使っている場合の話です。
では、趣味やスポーツとして自転車を使う場合の維持費はどれぐらいかかるのでしょうか?
結論として、「維持費がかからない」という点に関しては、当たっている部分と当たっていない部分があります。
趣味やスポーツとして自転車を使う場合の維持費を「メンテナンスコスト」と「ランニングコスト」に分けて考えて見たいと思います。
メンテナンスコストは走行するための機能維持にかかる費用です。
おもにチェーンなどの洗浄や注油、タイヤやチューブなど消耗品の交換にかかる費用です。自転車の場合はクルマやバイクに比べて消耗品の単価や部品の単価は安く総額としての支出額ももちろん低いです。
普段のメンテナンスは基本的に車体の清掃とチェーンの洗浄と注油だけなので年間で1000円~2000円程度です。走行毎に丁寧にメンテナンスをする方や年間1万キロを走る方でも3000円~5000円程度です。
もちろんパンクをしてチューブを交換したりタイヤを交換するともう少し金額はかかります。仮にタイヤを前後セットで交換したとしても1万円~2万円程度です。
ランニングコストは走れば走るだけかかる費用のことです。
クルマやバイクではガソリン代などの燃料代やエンジンオイルにあたりますが自転車は人力のため燃料代は必要ありません。
しかし、そのかわり自転車の場合は動力が人間そのものなので、「エネルギー」と「水分」が必要になってきます。
実は、この「エネルギー補給」と「水分補給」にコストがかかります。
もちろん、エネルギー消費が多い分ダイエットの効果も大きいわけですが、エネルギー補給しないとハンガーノックとよばれる極度の低血糖状態に陥って動けなくなってしまいます。
また、水分補給が適切におこなわれないと脱水症状になりめまいや頭痛がおきて状況判断や反応速度が鈍り自転車を運転することが危険になります。特に気温が高い時期には熱中症になり命の危険にまで至ります。
そのような事態を防ぐためにも適切な補給をおこなう必要があります。距離を走れば走るほど補給が必要になりその分補給にかかる費用がかかることになります。
体重と運動強度による具体的な消費カロリーの計算方法については、別のコラム記事「サイクリングとランニングの違い」に掲載しているので良ければ読んでみてください。
少し脱線した話になりますがますがハンガーノックや脱水症状・熱中症にならないために「スポーツ栄養学」について最小限は理解しておく必要があります。
本格的に持久系のレースやイベントに参加する方は、本番の数日前から体内のグリコーゲンをあらかじめ蓄えるカーボローディングと呼ばれる摂取法や走行中や走行後に適切にエネルギー補給や水分補給をする方法を知っておく必要があります。
カロリー消費についてはもちろん体格や運動強度にもよりますが、60分あたりにコンビニのおにぎりを1個~3個ぐらい消費するイメージです。
ちなみに、コンビニのおにぎりの平均カロリーは200 kcalほどです。もちろんおにぎりのサイズや具材によってカロリーは変わってきますが、通常サイズでおおよそ150 kcal~300 kcalになります。
一般的な成人男女の一日あたりの消費カロリーは、男性が2500 kcal女性が2000 kcal 程度です。実際、休日にまる一日ロードバイクに乗るとこの2~3倍程度のカロリーは消費してしまいます。
私の場合で休日に朝から晩まで丸一日ロングライドをした場合、ハートレートモニター(心拍センサー)に基づく簡易カロリー計算では5000kcal~6000kcalになります。
「60分あたりにコンビニのおにぎりを1個~3個ぐらい消費する」ってすごいですね。私の先輩がロードバイクで激ヤセした理由がまさにコレですね。
シェイプアップを目指す女子には、キラッ☆と希望の光が輝きます。
残念ながらわたしの場合はからだが小さいので、頑張ってもおにぎり1個ですね(笑
そうでもないよ。運動強度によってはおにぎり2個ぐらいにもなりますよ。
ロードバイクの場合は、「体重1kgあたり7kcal~9kcal/時間」ほど消費します。
仮に爽子ちゃんの体重が45kgだとして、控えめに7kcalで計算してみても60分で消費するカロリーは、「315kcal(7kcal×45kg)」です。おにぎり1個半ですね。
ヒルクライムをすれば「9kcal/時間」はいくでしょう。そうしたら「405kcal(9kcal×45kg)」なので、おにぎり2個になりました。
計算の仕方は先ほど紹介した別のコラム記事「サイクリングとランニングの違い」を読んでみてください。
水分補給も重要です。喉が渇ききってから水分を摂取するようでは遅く、小まめに少しずつ摂取する必要があります。
気温が30°以上になると水分の喪失が早くなり補給が間に合わなくなります。そうすると体温の上昇が抑えられなくなって熱中症になってしまいます。
夏場の一番暑い時期、気温が35°を超えるような状況で走り続ける場合は1時間に1リットルの水分補給でも足りないぐらいです。
気温が高い時期は日の出とともに出発し午前中のうちに帰ってこられるようなコースを考えるとよいでしょう。初心者のうちは暑い夏場の昼間に長時間走行することはおすすめしません。
私の場合、夏のいちばん暑い時期に朝から晩までまる一日ロードバイクで走るとだいたい4~5リットル程度の水分を補給しています。
エネルギー補給は、走行コースによって変わりますが、しっかり昼食休憩を取ってランチを取る場合もあれば、コンビニなどに立ち寄ったり補給食をこまめにチャージする場合もあります。
走り終わったあとのビールを楽しみにしている方は走った分だけいつもよりビール代もかかります。
このように走行中はもちろん走行後もカロリー補給と水分補給のコストが案外かかります。
結果的に、まる一日走った場合はドリンク代とランチ代も含めてだいたい2千円~数千円ぐらいはかかっています。
ちょっと遠くへ遠征した際には、お土産もよく買って帰ります。結果的に1万円ぐらい使って帰ることもあります。
さらに、輪行やツーリングを楽しむ場合は交通費や宿泊費などもかかってきます。
実際にこの辺りのコストを維持費として考えるかはその方の考え方次第です。
趣味と健康のために使うコストを別枠で考える方なら自転車の維持費ではないかもしれません。
メンテナンスコスト(走れる状態を維持するためのコスト)はクルマやバイクに比べると低いです。
しかし、ランニングコスト(走行距離に応じてかかるコスト)としての補給の費用が意外とかかります。
しかし、「薬トラック1台分より自転車1台」といわれるぐらいですから、代謝が良くなり健康な身体を手に入れられることを考えれば決して高くはないと思います。
補給にいくらお金がかかったとしても代わりに手に入れられる健康はお金では買えません。
どんどん走ってどんどん補給をして健康な身体になっていただきたいです。
スポーツ栄養学も学んでくださいね。