自転車には用途に応じたさまざまな種類があります。たくさん種類がある中でロードバイクはどのような位置づけにあるのか始めに確認しておきましょう。
自転車は実用車とスポーツ車(レジャー用自転車)に大別できます。上の図は大まかに実用車とスポーツ車に分類した図です。
現在では、業務用の実用車をみる機会は少なくなりましたが、都市部ではリヤカーを使って宅配便の配達がされているのを目にするようになりました。
そんな実用車の現状ですが個人用の実用車であるママチャリは日常の移動手段として相変わらず人気です。
他方、近年さまざまな理由から注目されているのが、ロードバイクをはじめとしたスポーツサイクルです。
スポーツサイクルといってもさまざまな種類があります。山道を走るマウンテンバイク、ちょっとした観光や散歩などに便利な折りたみ式の小径車(ミニベロ)、街乗りからちょっとしたツーリングまで使えるクロスバイク、そしてオンロードで抜群の走行性能を持つロードバイクなどです。
そんなスポーツサイクルのなかでもっとも軽く、速く、スポーティーな自転車がロードバイクです。
ロードバイクはスポーツ車のなかでも人気が高くこの10年足らずでレジャースポーツとして普及してきました。
最近は、街中でも郊外でもあちこちでロードバイクをよく見かけるようになってきました。
ロードバイクはどのような自転車なのか?ロードバイクをくわしくみていく前に他の自転車との関係を見ておきましょう。
下の図は、自転車の「重量」と「速度」の関係を表したものです。ロードバイクの位置を確認してみて下さい。
それぞれの自転車の特徴について重くて遅いものから順に簡単にみていきましょう。
ママチャリというその俗っぽい表現がふさわしくない状況では、「シティサイクル」や「軽快車」といった呼び方をします。色やデザインなどファッション性を高めたものはファッションサイクルと呼ばれます。
そのシティサイクルには、カゴ、荷台、スタンドが付いていて、積載性、利便性の面で優れています。
また、手頃な価格と高い耐久性で、日本での生活には切っても切れない有用な移動手段となっています。
そんな便利なシティサイクルですが、重い重量や足だけでこぐ乗車姿勢など、スポーツとして使用するには不向きな点があります。
最近は、ママチャリをベースとして電動アシスト搭載車や幼児2人同乗自転車といった新しいタイプの自転車が普及してきました。
小径車といってもドロップハンドルを付けたロードバイクタイプから折りたたみ式の実用タイプまであります。
小回りがきき、立ち止まることが多い使い方にはピッタリです。
折りたたみができるモデルは、輪行(交通機関に自転車を持ち込んでおこなう自転車旅)やクルマに積み込んで自転車版のパーク&ライドで観光旅行などに有用です。
しかし、ホイール径が小さいため、速度をだしにくく、長距離は苦手です。また、車体が小さいためカゴやバッグなどは装着しづらく積載能力はありません。
山道や未舗装路を走るための自転車。
ひとことにマウンテンバイクといってもダウンヒル用からクロスカントリー用まで様々な種類があります。
またMTBルックという見た目だけマウンテンバイクというものまであります。
ダウンヒルモデルやオールマウンテンモデルは前後サスペンションを搭載し重量は重くなります。クロスカントリー用はフロントサスペンションのみで、シンプルで軽量なフレームを使用し比較的軽快に走ることができます。
ロードバイクとシティサイクルの中間的な位置づけの自転車。
見た目はロードバイクのハンドルをフラットバーハンドル(一文字)に換えただけのようにみえますが、コンポーネントと呼ばれる駆動系に関するパーツはマウンテンバイクと同じ規格のものを使っています。
ロードバイクのコンポーネントを使う場合は、区別してフラットバーロードという呼び方をすることもあります。ロードバイクへのステップとして使用する人やフィットネス目的で使用する人が多い自転車です。
もともとロードバイクの選手がオフシーズンにトレーニングを兼ねておこなっていたオフロードレース用の自転車。
見た目はロードバイクとほとんど変りませんがロードバイクに比べてフレームはよりしなやかで丈夫に作られています。
ロードバイクよりも太めブロックタイヤで未舗装路でも気兼ねなく走ることができます。また泥詰まりをしにくいカンチブレーキやディスクブレーキを採用しているところが特徴です。
自転車のなかで一番軽くて速いのがロードバイクです。走るための機能だけしか備えていません。
次のチャプター以降でくわしくみていきましょう。
舗装路を走るロードバイクであっても特定の用途に特化したものがあります。一般的にわれわれがイメージするロードバイクの他に、トライアスロンやタイムトライアルで使用される競技用のTTバイク、競輪場などのトラックで使われるトラックバイク、シングルスピードで街乗り向きなピストバイク、自転車旅用のツーリングバイクなどがあります。
使用用途がハッキリ決まっている方は使用用途に合ったロードバイクを選択しましょう。
最近ではロードバイクと同じ形態で未舗装路の走行が可能なグラベルロードという新しいカテゴリーも定着してきました。
グラベルロードのハッキリとした定義は無いものの、グラベル(gravel)とは砂利のことで、要は砂利道を走れるロードバイクということです。
自転車にこんなにたくさん種類があるなんて知りませんでした。
ロードバイクにもトライアスロン用やツーリング用などいろいろな種類があることも学べました。
次のチャプターからいよいよロードバイクについて学んでいきます。