ロードバイクの特徴

このチャプターからロードバイクについてですね。

走るためだけの機能しか備えていないというところがポイントです。

わかりました。

しっかり学びます。

ロードバイクとは

ロードバイク

ロードバイクとは、ひとことでいうなら「舗装路での高速走行と長距離走行に特化した自転車」です。

なぜなら、もともとはロードレースで使用するために作られた自転車だからです。

一日に200kmを超える長距離走行、急峻な坂道でのアップダウン、石畳などの悪路での走行等を考慮して設計されているからです。速く遠くへ走ることだけしか考えられて作られていないのです。

たとえば、泥よけやスタンドなど、走行に必要のない機能は装備されていません。タイヤの幅は細く、高圧に空気を入れて、路面から受ける摩擦抵抗を極力軽減するように工夫されています。

また、ドロップハンドルと呼ばれる特徴的な形状のハンドルを持ち、サドルの位置は乗り降りよりもこぎやすい高さにセッティングし、前傾姿勢によって空気抵抗が軽減されるように考慮されています。

以上のような特徴を持ち、ロードバイクは「舗装路」と「人力」という組み合わせの条件では、最も速く、長距離を走ることができる乗り物といえるでしょう。

つまり、ロードバイクは、利便性を排除して軽量化し、より速くより遠くへ走ることのみを徹底的に追求した自転車なのです。

ロードバイクの具体的特徴

それでは以下でロードバイクの具体的な特徴を個別に見ていきましょう。

ドロップハンドル

ドロップハンドル

ドロップハンドルはロードバイクをもっとも特徴付けているパーツのひとつです。

ハンドル端より前方に突き出したあとにアールを描いて下に落ちた形状をしています。ハンドル幅、リーチ(突き出し)、アールの形状など様々な種類やサイズがあります。

バートップ、ブラケット、ドロップと大きく3つの持ち方があり、状況に応じて持ち方を使い分けることにより、効果的に上半身を使ってこぐことができます。また複数の持ち方ができることで手首や腕の疲労の軽減にもなります。

ひと昔前は丸パイプのスチール製かアルミ製でしたが、最近ではエアロ形状のカーボン製が多くなっています。

どこを持ったらよいのか迷います。

ブレーキの位置も遠くて手が小さい私には使いにくそうです。

ハンドルはどこを持ってもよいです。状況に応じて持つ位置を変えるところがポイントです。

ブレーキはブラケットという黒い持ち手の部分を持って指で前側から押さえてかけるのが基本的なかけ方です。

レバーは手前に調整できるので安心して下さい。

ドロップハンドルの持ち方やブレーキのかけ方についてはパート6でくわしくやります。

細いタイヤ

細いタイヤ

ロードバイクは「700C」という外径622mmのホイールに、径20mm~28mm程度のタイヤを組み合わせます。

より細いタイヤの方が軽量で空気抵抗がよくなりますが、耐久性が低くなります。

これまでロードバイクで標準的なタイヤは「23C」という径23mmのタイヤでしたが、最近ではタイヤの変形率を下げて転がり抵抗をよくするために、ワイドリム(タイヤをはめる部分の幅が広いもの)に太めのタイヤ(25C~32C)をはかせるのが流行っています。

タイヤが細いため他の自転車に比べて充填する空気圧は高くなります。バルブ(空気を入れる口金部分)もシティサイクルやマウンテンバイクなどとは異なるフレンチバルブとよばれる規格のため専用の空気入れが必要になります。

軽量

ロードバイクの重量

ロードバイクに限らず自動車やバイクなどスピードを競うレースでは、パフォーマンスをあげるために機材の軽量化をおこなうのは当たり前の共通認識です。人力で進む自転車では、とりわけ軽さがパフォーマンスに如実に表れるという事実があります。

そのため、走行に必要のないものはすべて取り払われています。スタンド、カゴ、ライト、ベル、泥よけ、カギなどは標準では付いていません。

もちろん、公道を走る際にはライトやベルは装着しないといけません。

ロードバイクの完成車の重量はおおよそ6kg~10kg程度ですが、カーボン素材の軽量フレームに軽量なパーツを組み合わせた場合は優に6kgを切ってきます。一般的なシティサイクル(ママチャリ)の重量は、20kg程度でなので、ママチャリの3分の1程度の重量になります。上記の重量は、アイテムや携帯品を何も装着しない状態なので、実際に乗り出す際にはプラス1~2kg程度は上乗せになります。

そのロードバイクに装着するアイテムには、サイクルコンピューターやスマホ等のデジタルデバイス、ライト、補給ボトル、パンク修理アイテム、及びそれを装着するためのアタッチメントや収納するためのバッグなどを装備する必要があります。それらを装着してもママチャリの半分程度の重量です。

ちなみに、レース向けのハイエンドモデルでは6kgを切るのロードバイクも存在しますが、実際にはそのロードバイクでレースには出場できません。UCI(国際自転車競技連合)の定めた規則に違反するからです。UCIが管轄する自転車レースでは最低重量6.8kgと規定されています。過剰な軽量化によって安全性が損なわれないようにするためです。

どうしてロードバイクにはスタンドが付いていないのか不思議だったんです。

もともとスタンドを到着することを想定して作られていないから付けられないんだよ。

多段変速

リア変速

変速はブラケットとよばれる持ち手に装着されたレバーでおこないます。ハンドルから手を離さずに、変速操作とブレーキ操作が素早くできます。

ママチャリは変速機能があっても3段程度です。最近のロードバイクは、ペダル側に2枚のギヤ、後のタイヤ側に10枚か11枚のギヤが付いています。そのため、ロードバイクは20段変速、もしくは22段変速になります。

道路状況や乗り手の脚力に合わせたギヤを選択することができます。基本的に上り坂では、軽いギヤを選択し、下り坂では重いギヤを選択します。

また、同じ坂道でも脚力は人それぞれです。重めのギヤでペダルを強く踏んで登っていく人もいれば、軽めのギヤでペダルをクルクル速く回して登っていく人もいます。その人が一番こぎやすいペダルの回転速度(※ケイデンスという)でこぐことができます。

※ケイデンスとは1分間あたりのペダルの回転数をいいます。道路の起伏に関係なく、このケイデンスを一定に保つことで疲れずに遠くまで走ることができます。

前傾姿勢

前傾姿勢

ママチャリは基本的に上半身は使わず足だけでこぐことになりますが、ロードバイクは前傾姿勢をとり、腕や体幹などの上半身の筋肉も使ってこぐことになります。

前傾姿勢をとることにより、重心が低くなり、空気抵抗もよくなります。

ロードバイクに乗り始めてしばらくは、脚の筋肉より普段使わない背中や首の後ろの筋肉の方が疲れます。

最初は慣れない前傾姿勢を取るので首や背中が筋肉痛になりますが何度か乗ると筋肉がついてきます。無理せず徐々に走る時間と距離を伸ばしていきましょう。

ビンディングペダル&シューズ

ビンディングペダル

ロードバイクに乗るときは専用のシューズと専用のペダルで、足とペダルを固定します。スキー板やスノーボードに足を固定するのと同じです。

足を固定することによって無駄のないペダリングができます。一説には30%パワーが上がるなんてこともいわれていますが、実際にはペダリングの効率が上がるだけです。

踏み込んでいない方の足が回転で浮き上がるのを抑えることでペダルの踏み出しを早くできるようになり、結果的にペダルを踏んでいる時間を長く取れるようになります。

ビンディングペダル

また、足を固定することによって固定していない場合には取ることができない姿勢や重心を取ることができるようになります。

ビンディングペダル&シューズに交換してもママチャリと同じこぎ方をしていてはメリットは得られません。

慣れないうちは立ちゴケのリスクがありますが走ることに関してはメリットしかありません。せっかくロードバイクを始めるのであれば、ぜひビンディングペダル&シューズで乗ってください。

最初から両足を固定するのがこわい人はフラットペダルではじめてもかまいません。しかし、できるだけ早い段階でビンディングペダルに移行しましょう。

足とペダルを固定することは知りませんでした。

心配性なので転けないか不安です。

ビンディングシューズのはめ方やはずし方は実際にロードバイクを使ってパート6でやります。

最初にしっかりマスターしておけば大丈夫だよ。