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no.3ロードバイクを選ぶ6つの基準と経験者が優先する基準を知る

今回はロードバイクを実際に選ぶ際の6つの基準についてはなします。

通常はあまり意識せずに選んでいることが多いと思いますが、意識するだけで変わってきます。

no.1ロードバイクを選ぶ6つの基準と経験者が優先する基準を知る

前のチャプターまでで、あなたがロードバイクでやりたいことをするために必要なスペックや必要な予算がわかりました。

これで妥協さえしなければロードバイク選びで失敗することはおおかたなくなりました。

同じ金額を出すなら、より性能が高いロードバイクがほしいですし、気持ちよく買いたいものです。また、購入後のトラブル備えてアフターサービスを考えておくことも大切です。

ロードバイク選ぶ際に、最終的に何を判断基準とするかは人それぞれです。以下、標準的な判断基準を6つあげてあります。

これまで何台も乗ってきたような経験者が選ぶ際に何を基準にしているかも合わせて書いていますので参考にして下さい。初心者では気がつかないような点がたくさんあると思います。買い方については次のパートでまた詳しく書いています。

以下、各基準を順にみていきましょう。

  • 価格で選ぶ

    3-1-2でおはなししたとおりロードバイクを始めるには最低15万円必要です。スポーツや趣味として本気で始めるつもりならば20万円以上の資金を確保してもらいところです。

    なぜなら、「ロードバイクとしての本来の性能をもった車体」と「快適に走行するためのウェアやアイテム、メンテナンス用品」がそろえられないからです。

    具体的な金額でいうとロードバイクメーカーがロードバイクとして販売している完成車の最低価格がだいたい12万円~15万円程度です。それに、必須のアイテムやメンテナンス用品を購入すると20万円は超えてしまいます。

    仮にロードバイクの購入時に必須のものだけを20万円程度で購入しても、その後アイテムやウェアなどを購入すると最終的に追加で数万円から10万円程度は支出することになるでしょう。正直なところ一通りそろえるのに30万円程度は必要です。

    もちろん、ロードバイクをスポーツや趣味としてロングライドやイベントに参加するような楽しみ方をする方を前提としています。街乗りや通勤通学がメイン用途の方はもっと安く抑えことができます。

    したがって、価格で選ぶという基準は購入資金の総額が30万円以上あるような方が考える際に選ぶ基準となります。そのためこの金額以下の予算の方が手持ち資金で買えるロードバイクを選ぶという選び方をすると失敗する可能性が高くなります。

    「ロードバイクの買い方」については次のチャプターで詳しく書きますが、多少の工夫と手間をかけることでお得に買うことも可能です。

    経験者は「価格で選ぶ」基準をどうみているか

    経験者の場合はロードバイクの内容と価格が把握できています。

    予算10万円台で満足できるロードバイクと必須のアイテムなどが一式そろうとはもちろん考えていません。

    初心者が購入する最初の1台目であっても最低でも20万円、できれば30万円は必要だと考えています。

  • ショップで選ぶ

    ショップで選ぶとは

    「ショップで選ぶ」とは、まず、通える近隣のリアルショップ(実店舗)を選んで、次にそのショップが取り扱うロードバイクのなかから選ぶということです。

    したがって、近隣にロードバイクを取り扱っているショップがない方はそもそもこの選び方はできません。

    インターネットが普及した現在はショップの重要性が下がっている

    自分でメンテナンスやパーツ交換ができないうちは、ショップや所属チームの先輩などに頼るしかありません。

    近くにロードバイクの専門店がある方やチームやクラブに所属している方ならば不自由はしません。

    しかし、このサイトを見に来てくれているあなたは少なくともそういう恵まれた環境にいる人ではないでしょう。

    ロードバイクの初心者向けの本やWEBにはたいてい「ショップ選びが大切」と書いてあります。

    残念ながらロードバイクを取り扱っているショップが近所にある方は都市部に住んでいる方だけです。地方にはロードバイクを取り扱っているショップはまだまだ少ないのが現状です。

    しかし、自分でロードバイクについて学び、メンテナンスの技術を身につければ、ショップに依存することなくロードバイクが楽しめます。

    私がロードレーサー(当時はロードバイクをロードレーサーといいました)をはじめた頃はノウハウ本やムック本などもほとんどなくロードバイクの情報源などほとんどありませんでした。

    しかし、現在はインターネットが普及し、簡単に情報を入手することができます。

    インターネットを利用し、自分で知識とメンテナンス技術を習得すれば、ショップに依存しなくてもロードバイクライフが実現可能です。

    そういう意味では良い時代になりました。ユーザーの生のレビューが簡単に入手できます。メンテナンスについてもYoutubeなどの動画で様々な方が情報を提供してくれています。

    ショップ選びを重視すべき人

    とはいえ、ショップとの関わりや常連客との交流など、ショップを通したコミュニティを重視する方であれば対面販売のリアルショップの利用は多いに有用です。

    ショップによっては、チームを持っていたり、定期的に走行会をおこなっていたり、常連のコミュニティがよいところもあります。

    値引きや品ぞろえだけでなく、購入後のこともしっかり考えておかなければいけません。

    ロードバイクショップの3つの形態

    以上を踏まえた上で、ショップ選びを見ていきましょう。

    まず、取り扱う自転車の車種によって大きく3つのショップ(自転車屋)に分けられます。

    シティサイクル専門店 ママチャリ、電動アシスト車、幼児車などを専門にあつかうシティサイクルショップ
    スポーツサイクル専門店 プロショップといわれることが多い。スポーツ車を専門に扱うスポーツサイクルショップ
    両方を取り扱うショップ シティサイクルとスポーツサイクルの両方を取り扱うショップ

    どこのショップ(自転車屋)でもロードバイクを取り扱っているわけではありません。スポーツ車(ロードバイク)を取り扱うショップでなければいけません。

    なかにはマウンテンバイクの専門店などもあるのでロードバイクを取り扱うショップに行きましょう。

    ロードバイクショップの3つの種類

    ロードバイクを取り扱うショップを大きく3種類にわけています。あなたがお世話になろうとしているショップはどれに当てはまりますか?

    ショップの種類 特徴
    大規模チェーン店 全国もしくは特定のエリアにチェーン店をもち、多くのメーカーのスポーツ車を取り扱っています。
    品ぞろえが豊富で様々なメーカーのロードバイクをまとめて見ることができます。
    スタッフに技術面や接客面での差があり、購入後の関係性も構築しにくい。
    ワイズロード、セオサイクル、シルベストサイクルetc
    メーカー直営店 ひとつのブランド(場合によっては複数)だけを取り扱うショップで、メーカー直営店や代理店のコンセプトショップの場合がほとんどです。
    ショールームを兼ねているためメーカーのすべてのラインナップを展示しているショップもあります。また、試乗車の設置があることが多いです。
    欲しいメーカーが決まっているなら直営店へぜひ行ってみましょう。
    トレックストア、ビアンキストア、ジャイアントストアetc
    個人ショップ 比較的規模の小さなセレクトショップで、なかにはシティサイクルを併用して取り扱っているところもあります。
    元レーサーやメカニックが独立したケースや脱サラや独立のケースが多く、知識や経験が豊富で機材に精通している。
    取り扱いメーカーや品ぞろえにオーナーの意向がでます。そのためオーナーとの相性が重要になってきます。

    次のパートで話しますがネットに情報が溢れている現在ではショップに頼らなくても自分で組み立てもメンテナンスもすることが十分可能です。

    経験者は「ショップで選ぶ」基準をどうみているか

    経験者はある程度のメンテナンスやパーツ交換が自分でできるようになっています。また、自分のロードバイクは自分で維持管理できるようにならないといけないと考えています。

    なぜなら、出先でトラブルが生じた場合には自分で対処できないと帰ってこれないからです。

    自分でメンテナンスやカスタマイズできることを重視しするため、購入後のメンテナンスが理由でショップで買うことはありません。

    そのため、経験者はショップへの依存が低いのが現状です。

  • ロードバイクメーカーで選ぶ

    メーカーで選んだ場合はそのメーカー取扱店を探さなければいけません。

    メーカーによっては1つのエリアに1店舗しか販売店を置かないメーカーもあります。この場合はショップで選ぶ場合と同じ地理的な制約を受けるケースも出てきます。

    また、メーカーによっては対面販売のみに販売方法を限定しているところもあります。その場合は国内ではネットで購入したくても購入できません。海外ネット通販で取り扱いがあればネットで購入可能です。海外ネット通販については後ほど触れます。

    世界のロードバイクメーカー

    ここではメーカー選びのポイントと簡単なロードバイクメーカーの歴史とエリアごとの特徴をおさえて下さい。

    ロードバイクメーカー世界地図(WORLDMAP)
    ロードバイクメーカー世界地図

    あまりたくさんのメーカーを紹介したところで混乱するだけなので私の基準で厳選しました。地図には載せていませんが他にもたくさんのロードバイクメーカーがあります。

    最初はたくさんあるメーカーの違いはわからないと思います。ここまで読み進めてくれた方ならもうおわかりだと思いますが、価格帯が同じであるならメーカーが異なってもロードバイクとしての性能が劇的に変わることはありません。

    ロードバイク市場はすでに成熟し淘汰もすすんでいるので、そういう意味でも価格相応のクオリティは保証されています。

    もちろん、ブランド力や人件費などのコストによって多少の価格差は生じます。台湾メーカーであり、かつ、他のメーカーの下請けメーカーでもあるジャイアント(GIANT)のコストパフォーマンスが良いといわれるのはそういうところから来ています。

    そのような状況ですが、メーカー選定のポイントとしては、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなどの著名なレースにロードバイクを提供しているメーカーから選べば問題ありません。

    理由は、レースでの最前線の技術が下位のグレードにもフィードバックされているからです。またそのようなメーカーは見た目だけがロードバイクで性能が伴わない「ルック(車)」と呼ばれるロードバイクを販売していません。

    ただし、世界的なレースにロードバイクを提供していなくても、Anchor(アンカー) のように日本人向けのジオメトリーを採用したり、女性向けのスモールサイズに対応しる優良なメーカーもあります。

    現在はラインナップからなくなっていますが以前はフレームの固さをオーダーすることができるモデルもありました。

    おすすめのロードバイクメーカーについて以下に書いているのでご覧になって下さい。

    ロードバイクメーカーの簡単な歴史とエリアごとの特徴

    ここではロードバイクメーカーの簡単な歴史とエリアごとの特徴だけ知っておいて下さい。

    そもそもロードバイクの歴史は19世紀後半のヨーロッパに始まります。1896年のアテネオリンピックでロードレースが開催されています。1903年にはロードバイクを知らない人でもおそらく聞いたことがある「ツール・ド・フランス」が開始されています。

    つまり、ロードバイクのルーツはヨーロッパであるということです。ヨーロッパにロードバイクのメーカーが多いのはそういう理由です。

    しかし、近年は、トレック、キャノンデール、スペシャライズドなどのアメリカのメーカーが空力や製造の効率性追求して台頭してきてました。

    さらに、ここ数年では、もともとOEMでヨーロッパやアメリカのメーカーの下請け製造していたジャイアントなどの台湾メーカーがコストパフォーマンスを武器に世界で売上げを伸ばしています。

    現在は、ロードバイク市場はそのような流れの中にあります。どこのメーカーのロードバイクを購入してもほとんどが台湾や中国で製造組み立てされているのです。

    新鋭のアメリカのメーカーの中から選ぶのもよいですし、コストパフォーマンス重視なら台湾のメーカーで選ぶのもよいでしょう。

    私のようなダブルレバーでかつて走っていた古い人間はやはりヨーロッパのメーカーが好きです。好きなメーカーがあればそのメーカーのラインナップの中からあなたに最適なモデルを選べばよいでしょう。

    経験者は「メーカーで選ぶ」基準をどうみているか

    各メーカーがグレード展開しており、ほぼほぼ「同じグレード ≒ 同じ価格帯 ≒ 同じ性能」という状況であることを知っています。

    そのため、基本的に色やデザインと同じで好みの問題であると認識しています。

  • 色やデザインで選ぶ

    GIOS AEROLITE
    AEROLITE©GIOS Japan

    色やデザインは重要です。

    なぜなら、自分の気に入らない色やデザインのロードバイクを乗り続けても楽しくありません。乗らなくなる原因になります。

    使用用途を満たし、スペックの問題がなければ、気に入った色やデザインのロードバイクに乗るのが一番です。

    とはいえ、ロードバイクのメーカーが作るのは基本的にフレームだけですから、フレームにバーテープ、サドル、ホイールのデザインやカラーコーディネートがロードバイクの印象を決めています。

    選び方としては、第一印象で選んでからスペックを満たすか確認してもよいですし、逆に様々なメーカーからあなたの必要とするスペックを満たすモデルをリストアップしていき、その後、色やデザイン面から気に入るものをしぼりこんでいけばよいでしょう。

    色の場合は、ビアンキのチェレステ、ジオスのジオスブルー、キャノンデールのグリーンなど、メーカーがもっている独自の色もあります。

    フレーム形状のデザインに関しては、近年はエアロ形状のカーボンフレームが増えてきています。

    クロモリ素材のフレームに関しては細く直線的な形状ものが多いです。ロードバイクはどれも同じフレーム構造のためチューブの形状が太いか細いか、丸いか四角いかぐらいの違いしかないのです。

    経験者は「色やデザインで選ぶ」基準をどうみているか

    経験者になるとスペックやフレーム素材を重視するようになるため色やデザインは二の次になります。もちろん色やデザインが気に入らないと選ぶことはありませんが、選考基準としてはそれほど最優先ではありません。

  • フレーム素材で選ぶ

    前パートでフレーム素材の特徴について書いていますので、まだご覧になってない方はそちらを参照して下さい。

    フレーム素材ごとの乗り味を重視してそれを第1に選ぶという選択もおおいにありです。ただし、これからロードバイクを買おうという段階では、乗り味がどうこうといわれても基準がないのでピンときません。

    はじめて買う方にはカーボンフレームをおすすめします。

    理由は、
    1.比較的手頃な価格で手に入れるようになってきたこと
    2.軽量であることからロードバイクの軽快さをより味わえる
    ようになってきたからです。

    カーボンフレームの完成車の場合はおおよそ20万円からになります。

    購入資金に制約がある方はコストパフォーマンスの良いアルミフレームでも問題ありません。予算があってハイスペッククロモリフレームやチタンフレームに魅力を感じる方はぜひ乗って下さい。

    経験者は「フレーム素材で選ぶ」基準をどうみているか

    乗り味に一番影響するのがフレームです。そのためカーボンに乗り飽きた経験者は必ず乗り味の違うクロモリやチタンに興味を持ちます。ただし、高額なため初めてロードバイクを購入する初心者にはおすすめしません。2台目以降にチェレンジしてみて下さい。

  • コンポーネントで選ぶ

    コンポーネント自体がグレード展開されているため、大変わかりやすい選択基準となります。経験者になればコンポーネントのグレードを意識しないことはありません。メーカーやデザインにこだわりがなければコンポーネントを最初の選定基準にしても構わないと思います。

    シマノであれば「アルテグラ」で選ぶ、「105」で選ぶという選び方になります。ただし、注意して頂きたいのは、完成車の場合はすべてのコンポーネントが同一グレードで仕上げられていることはむしろまれです。

    たとえば、シマノのアルテグラを搭載しているグレードで選ぶと決めたとします。ある完成車が「シマノアルテグラ仕様」となっていてもすべてのコンポーネントがシマノのアルテグラを使っているわけではありません。

    メーカーオリジナルのコンポーネントや廉価なコンポーネントを組み合わせることでコストダウンを計っているからです。モデルごとのスペックをよく確認する必要があります。

    完成車を購入した後ですべてをシマノのコンポーネントにそろえるために追加で出費をする方が非常に多いことを知っておいて下さい。

    経験者は「コンポーネントで選ぶ」基準をどうみているか

    経験者が必ず重視する基準です。初心者に勧める際には将来的なアップグレードを考えてシマノ105をセットアップしたものを勧めます。なぜなら、コンポーネントのリア変速数が11段で一番下のグレードだからです。具体的には、将来的に105のひとつ上のアルテグラや最上位のデュラエーストと互換性があるため交換できるからです。

no.2選択基準のまとめ

私はやっぱりかわいい色やデザインのロードバイクに乗りたいです。

前チャプター3ステップをクリアーしているなら色やデザインで選んでもまったく問題ないですよ。気に入って乗るのが一番だから。

選択基準のまとめ
1.価格で選ぶ 資金的・地理的制約
2.ショップで選ぶ
3.メーカーで選ぶ 好み・主観重視
4.色やデザインで選ぶ
5.フレーム素材で選ぶ 性能・テイスト重視
6.コンポーネントのグレードで選ぶ

「1.価格」や「2.ショップ」はある程度決められているもので本人の意思とは関係なく制限を受けてしまう選択基準です。

「3.メーカー」や「4.色やデザイン」は本人の意思で自由に選択可能で性能には影響のない選択基準です。

「5.フレーム素材」や「6.コンポーネントのグレード」は性能や乗り味に直結する選択基準です。

ロードバイク歴が長くなり情報リテラシーも高くなってくるとメーカーごとに多少の違いはあっても、ほぼ価格相応のスペックになっていることがわかってきます。

というのも、一時期のロードバイクブームがおわり市場が成熟したからです。どこのメーカーも同じ価格帯には同じような性能のロードバイクを提供しています。

別の視点でいえば、ロードバイクユーザーの見る目が厳しくなっているのです。そのためスッペクの割に異様に高いロードバイクは売れません。

とはいえ、トップグレードからミドルグレードあたりのモデルにはメーカーの特徴がところどころに出てきます。

2台目を選ぶ頃にはそれらメーカーごとの特徴や好みもハッキリわかるようになっているでしょう。